6月14日公開予定の「ウィーアーリトルゾンビーズ」。
4人の子供達が火葬場での出会いをきっかけに、バンド「リトルゾンビーズ」を結成し成長していく物語。
サンダンス映画祭、ベルリン国際映画祭で受賞に輝いた異色作として、
クセとアクのある物語の展開、ピカピカ・ピコピコ演出が独特な世界を作り上げている。
その1
その2
ドット絵や電子音、どこか懐かしさを感じてしまいますね。
そしてこの2つの映像からは、おや?と思わせるようなものがあることに気付いたかもしれません。
そこで、「ウィーアーリトルゾンビーズ」の元ネタになっているものを、独自の視点も含め解き明かしていきたいと思います。
元ネタは何なのか?
もうすぐ平成も終わり令和に変わろうとしています。
そこで長久監督は作品全体を平成の文化と銘打ち、集大成として世に送り出しました。
邦画として、洋画として、映画、音楽、デザイン、衣装、ゲーム、サウンド、CG、広告、社会問題、こども、サブカル、平成文化の集大成のこと、など様々な方が様々な角度でお楽しみいただけると思います。ので、少しでも気になる方はご連絡をば!
ウィーアーリトルゾンビーズhttps://t.co/5oxApQdPKj— ナガヒサ (@nagahisa) February 28, 2019
ここからは平成時代にまつわる、どんな元ネタ要素があるのかを見ていきます。
◆広告◆
特徴ある主人公・ヒカリのメガネとおかっぱ頭。
どこかで見たことはないでしょうか。
そう、それは”いとうせいこう氏”が若かりし頃に出演し、16bitをウリにしたメガドライブのCMです。
1988年10月に発売され、平成の幕開けに合わせ放送されていました。
格好や雰囲気が主人公にそっくりですね。
引用:https://image.itmedia.co.jp/
衝撃の16bit機発売から時を経て令和の幕開け。
偶然の巡り合わせなのか、いとうせいこう氏はなんと今作の映画に出演します。
◆デザイン・CG◆
タイトルロゴにチカチカ・ドロドロした背景。
ドット絵で構成されているのですが、実にメガドライブテイストなグラフィックです。
先程の広告同様、デザインもメガドライブに合わせたのでしょうか。
◆衣装◆
平成の代表的衣装といえば、バブル時代が挙げられます。
ド派手で少しケバい?のが特徴で、見た目が実にバブリーでした。
4人の衣装はバブルの華やかさをイメージしたのかな。
◆こども◆
平成時代のこどもにまるわる出来事といえば、貧困化やいじめ・虐待といった負の部分が目立ちました。
作品に登場する4人の子供たち、両親のお葬式、まるで負の平成を表現しているかのようです。
【平成の格差拡大】ワーキングプア・ネットカフェ難民、子供の貧困実態の表面化から「こども食堂ネットワーク」発足に至り深刻化した社会問題。非正規労働者の低賃金固定化が問題。橋本健二氏(早大)の提言『最低賃金を引き上げ・こどものベーシックインカム』。それしかないhttps://t.co/FgY7PwKRce
— 岩畑政行 (@iwahata_m) August 3, 2018
◆社会問題◆
作品に登場する沢山のゴミ、ゴミ、ゴミ。
ゴミ袋がこれでもかと山積みです。
平成の社会問題でいうところの、ゴミ屋敷問題を反映したものだと思われます。
◆音楽◆
長久監督がリスペクトしたとされる電気グルーヴ。
3枚目シングル『N.O.』が元ネタとなり、リトルゾンビーズのテーマ曲が生まれました。
※テーマ曲についての記事はこちら
ウィーアーリトルゾンビーズのテーマ曲がピコピカッ!使用機材は?
◆サウンド◆
いたる所で流れていた8bitの電子音は、すっかりお馴染みのファミコンから。
昭和のゲーム機ですが、実は平成6年までソフト(最後のタイトルは高橋名人の冒険島IV)が発売されていたのです。
それに平成5年はニューファミコン、平成28年はニンテンドークラシックミニと、
平成始めから終わりまで何かとファミコンは大人気でした。
それを思えば、ピコピコ音は平成ゆかりのサウンドといえるでしょう。
◆ゲーム◆
予告編その2ではテレビ横にロボットが置いてありましたが、その正体はジャイロセットのファミコンロボ。
0:45辺りに映っていたのYOU LOSE画面は初代ストⅡ、リュウとケンの勝敗結果が元ネタです。
ヒカリの所持していた光るゲーム機は「ポケゲ」という名前。
平成元年に発売されたゲームボーイにそっくりです!
これまたいい!早く見たいです!!! https://t.co/qsMPBYspwH
— Kaoru Asatani (@mon__chang) February 28, 2019
余談ですが、ポケゲで遊ぶヒカルの背後にある絵画は、16世紀の画家・ブリューゲル作『子供の遊戯』になります。
◆映画◆
最後は映画ということで長久監督自身についてです。
元ネタはアメリカのラッパー”スヌープ・ドッグ”で、活動開始したのは1992年(平成4年)。
監督もまた、自らの体を張り平成を体現していたことになります。
初の長編映画「We are little zombies」がサンダンス映画祭で日本人初の審査員特別賞受賞の快挙! 8Bitなファミコンミュージックと独特な世界観がとってもおもしろそうで6月の公開が楽しみ。
監督の長久さん!髪型がスヌープドッグみたいでオシャレ。#SnoopDogg #Sundance https://t.co/UV0DZ7c9Xc pic.twitter.com/wXY4ozk9by— TomPuku (@mojarihige) February 14, 2019
ここまで紹介したのはほんの一部で、他にも隠された元ネタが眠っているはず。
個々人で探してみると色々な気づきがあるもので、映画の楽しみ方はもっと広がることでしょう。
まとめ
ウィーアーリトルゾンビーズには平成にまつわる元ネタが沢山詰め込まれていました。
まさに平成の集大成、平成の芸術集といえる映画です。
平成から令和へ・・。
そんな時代の変わり目だからこそ、平成の思い出として観ておきたいものですね。
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